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銅像を愛でる 〜銅像排斥に感じる違和感〜

 銅像排斥運動が海外で活発に行われているが、やや違和感が。アメリカにおける激しい差別を経験していないので、何も知らない癖にと叱られそうだが、コロンブスやセオドアルーズベルト、リー将軍など、過去に功績のあった歴史上人物の銅像の撤去がアメリカで行われているらしい。なんとなく違和感を感じる。
 当時では当たり前であった価値観を、いまの価値観で糾弾するのは何かおかしい気がする。
 今日の新聞で、過去には東京の万世橋に広瀬中佐の銅像があったとのこと。それも戦後の軍国主義反対の流れで撤去されたとのこと。あちこちに楠正成や肉弾三勇士の銅像もあったらしい。今の時代をよくしていこうという活動は必要だが、過去の人たちの価値観を知る手がかりを消し去るのはいかがなものかと思う。広瀬中佐は部下を捜索するために殉職した軍人、肉弾三勇士は敵地攻略のために自己犠牲を払った兵卒。楠正成は鎌倉末期、南北朝時代の忠臣。当時として模範的な日本人像であったのに、価値観転換の過程で撤去されてしまったらしい。
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 私は銅像を見るのが好きだ。作った人たちの気持ちや歴史を知るきっかけになるからだ。
 ところでこの写真の野口英世の銅像は、上野公園にある。欠点のない歴史はない。野口さんだって、友達から金借りまくって、友人の身代を潰してしまったらしいし、今では否定された研究も多いらしいから、誤った学説を流布して公衆の健康向上の進歩を遅らせた罪に問えるかもしれない。法では無く価値観で人を裁く、価値観で過去を裁くと言うのは、危険な風潮ではないだろうか。
 もし私が大富豪なら、撤去された銅像を収集して、撤去された銅像博物館を作りたい。箱根彫刻の森のような形で。


by MatChan45 | 2020-07-15 08:03 | Comments(0)

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